吐くのがとにかく怖い 嘔吐恐怖症の症状は甘えじゃありません
2017/10/12
自分はもちろん他人が吐くのも死ぬほど怖い!
人ごみや電車、外での会食、公衆のトイレなんてノロやロタウイルスがうつりそうで近寄れない。
死ぬより吐くのが怖い・・・
嘔吐恐怖の症状に悩まされている人は結構多いのです。
私もそうでした。
ノロノイローゼという冗談のような嘔吐恐怖が辛い
私が嘔吐恐怖という症状名を知ったきっかけは、自分が初めて嘔吐下痢症になり4日間苦しんだ経験からです。
「お花畑がみえる~」という状態まで脱水して嘔吐と下痢から「死」を連想しパニックになりました。
そして11月~3月にはいつもノロ、ロタなど感染性胃腸炎やインフルエンザの発生がピークになりますね。
毎年この時期は毎日の生活が恐怖に支配され、とてもつらくて泣きそうな日々となったのです。
そして最近では新型ノロが発生したり、冬や春先だけではなく夏も秋も一年中ノロウイルス発生のニュースが流れるようになりました。
これで常にノロやロタのような嘔吐や下痢が主症状の病気を強迫的観念のように毎秒恐れるノイローゼ状態になってしまいました。
ノロノイローゼとはこのこと←冗談のようなネーミングですが本当につらいものです。
人ごみや電車で誰かが吐いたのではないかと常にパニック、ノロウイルスが怖くて外食もできずという日々。
家にひきこもりがちでたまに気分転換に友達を招いても、その友達が外でウイルスをもらってきたのではないかとおびえていました。
手洗い・うがいはもちろん、ドアノブ、水道、玄関、じゅうたん、靴の裏までハイタ―で消毒するほどの神経症的な行動が止まりません。
吐いたらどうしよう!という起こってもいないことを過剰に心配する予期不安がどんどん強くなりました。
嘔吐への恐怖から食べるのすら怖いという負の連鎖にはまっていきました。
これが嘔吐恐怖症という症状であり、この症状に悩む人が多いことも知ったのがこの負の連鎖に苦しんだ頃です。
周りの人に相談しても
「ノロ怖がり過ぎだよ(笑)」
「吐くのがイヤなのはみんなそうでしょ?」
と理解を得ることができません。
違う!
吐くこと「いや」なのではなくひたすら「怖い」のです。
吐き気や嘔吐が死ぬほど怖い、死ぬより恐怖だという不条理な悩みを克服するのにずいぶん悩み苦しみました。
嘔吐恐怖は甘えじゃありません
「吐くのが怖い」なんて子どもじゃあるまいし甘えや思い込みじゃないの?
周りからはそんな風に思われて理解を得ることができませんでした。
これも嘔吐恐怖という症状をとても孤独でつらいものにしてしまったと思います。
同じ嘔吐恐怖症を持つ仲間が吐くことの恐怖で生活に支障がでることを悩み心療内科へかかったと聞きました。
そして、たまたまかもしれませんが心療内科でも嘔吐恐怖に理解の深くない医師にあたり「気にし過ぎ」と言われてその悩みが絶望へ変わったと。
吐くのが怖いなんて口にしても嘔吐恐怖症でない人から見れば甘えや思い込みに感じるでしょう。
精神を扱う専門家ですらよくわからないかマニュアル通りのことしか言えないくらいわかりにくい症状ですから。
でも、吐くのが本当に怖くて死にそうなのが嘔吐恐怖症です。
もっと言ってしまえば
吐くのが死ぬより怖い!吐くなら死んだほうがマシなんじゃないか?
くらい追い詰められているのがこの嘔吐恐怖症です。
理解を得にくい、恐怖と不安に支配されて毎日がつらい生活上の障害となる病気です。
嘔吐恐怖症は決して甘えや思い込みではありません。
嘔吐への恐怖を治したいなら
こんな吐くことへの不安や恐怖におびえ続けて生活が委縮していた私が、嘔吐恐怖をある程度克服できたと思う方法を書きます。
嘔吐恐怖症へ周りからの理解を得るのは難しいことを知っておく
みんなにわかってもらいたいと切に訴えて苦しむより、人はわからなくてもいいんだ!とのんびり考えたほうが良いです。
周りの人は嘔吐がべつに怖くもないのでいざ嘔吐でパニックになったら助けてもらえるという逆転の発想をしましょう。
吐くことの恐怖に自分を支配させない
「吐くのが怖い」という意識が強くなると嘔吐恐怖症はひどくなります。
まだ吐き気もしない、吐く病気にもなっていないうちから吐くことへ過剰に不安意識をもつことがおそらく嘔吐恐怖の原因です。
吐くことを過剰に意識へ登らせないように心がけましょう。
嘔吐を潔癖かつ神経質に排除しないようにする
吐いてもいいやくらいに開き直っていると不思議と吐き気が起こらなくなります。
念のためにエチケット袋はポケットに安心のために常備させていましたが、
「吐いても大丈夫!」というおまじない
を唱えることは効きますよ。
◆関連記事 ノロウイルスをいつも怖がりすぎて不安・・・絶対うつりたくない!
嘔吐に慣れる
ミもフタもない克服法のように聞こえますが、実はこれが私の嘔吐恐怖が治ったきっかけです。
胃腸炎で強制的に体が何度も吐いてしまったら、いままでの嘔吐への恐怖が驚くほど小さくなりました。
「恐怖には慣れるのが一番」ということを実感しました
いまは嘔吐恐怖のあなたも大丈夫
いまでもノロや胃腸炎が流行る時期には人よりも不安で神経質になりますし、嘔吐への恐怖を完全には克服できていないと感じています。
でも
「まあ、吐いても大丈夫でしょ」
という開き直りにも似た気持ちが芽生えています。
吐いても平気な人に比べればまだまだ恐怖症が強いと思いますがノロの流行時期も普通の生活が楽しめるようになりました。
「吐いてもいい」「吐いても大丈夫」
これは本当に嘔吐恐怖を楽にするおまじないの言葉なので、恐怖症で苦しいかたはぜひ毎日となえてみてください。
ご参考になれば幸いです。お互い頑張りましょう!