親が太っているなら遺伝で自分も太る?肥満が遺伝する確率は
2023/01/08
今、またはずっと太っていることを気にしている方でご両親が肥満しているという方はいますか?
そして、親が太っているから遺伝で自分が太っている、これは宿命なのかも・・・と思っているのではないでしょうか。
そもそも肥満とは遺伝するものなのでしょうか?
遺伝した肥満ならダイエットも無駄?
ダイエットをしてもなかなかうまく行かず、挫折やリバウンドの繰り返しで肥満と決別できない方は多いものです。
そして、そこに親も太っていたから子どもの自分にも肥満が遺伝したんだ!と理由づけをして痩せるのをあきらめてしまう人もいますね。
確かに両親、または母親、父親のどちらかが太っている場合、子どもが太ってしまうと遺伝で肥満したのだと考えがちです。
肥満が確実に遺伝性ならダイエットしても無駄と考えるのもよくわかります。
しかし、両親がやせているのに自分だけ太っている、または両親とも太っているのに自分だけ痩せているという子どももたくさんいます。
肥満は100%遺伝するものではありません。
もし代々太った人の多い家系であれば肥満しやすい遺伝子を持っている可能性があるというだけです。
体型が必ず遺伝していくというわけではありません。
ゆえに肥満の原因が遺伝だと考えてダイエットしても無駄だとあきらめるのは早急すぎます。
肥満が遺伝する割合は?
そもそも肥満の原因は遺伝なのでしょうか?
以下の数字を見てください。
- 両親が標準体重の場合、子どもが肥満する確率・・・約10%
- 父親か母親のどちらかが肥満の場合、子どもが肥満する確率・・・約30%
- 両親ともに肥満の場合、子どもが肥満する確率・・・約70%
これを見ると確かに肥満に関する遺伝子が存在し、肥満が遺伝するように思えますね。
しかしこの肥満の遺伝子にはとても興味深い話があります。
肥満に関係する遺伝子のひとつβ3アドレナリン受容体という物質があります。
約30%の日本人がこのβ3アドレナリン受容体を持っています。
では肥満大国アメリカではどうでしょうか?
肥満が国民病と言われて久しいアメリカ人ならこのβ3アドレナリン受容体を50%くらいの人々は持っていそうですよね。
しかし驚くことに、数多くの肥満に悩む人を抱えるアメリカではこのβ3アドレナリン受容体を持っているのは約10%なのです。
つまり、世界的水準からみてビッグサイズなアメリカ人は、痩せ型が多い日本人の3分の1しかこの肥満遺伝子を持っていない計算となります。
日本の伝統的な脂や肉の少ないバランスの良い和食に比べて、アメリカでは大量の脂肪や炭水化物を使ったメガサイズの食事が目立ちます。
最近の研究では肥満の原因として「遺伝が3割、生活環境が7割」という見方をしています。
遺伝的な要素よりも、後天的な食事や運動などの生活習慣のほうが肥満を決める原因となるということなのです。
肥満は遺伝ではなくて環境
いま肥満している人の太っている原因は遺伝による確率は30%で、残りの70%は生活環境ということがわかりました。
「でも親が太っているとその子どもも太っているような気がする」・・・それは間違いではないでしょう。
なぜ肥満が遺伝ではなければ親が太っていると子どもが太りやすいのか?
それは親の食生活や運動習慣を同じ家庭に育つ子どもにパターンが受け継がれているからです。
親はラーメンやハンバーガーに清涼飲料水、アイスクリームなどをたくさん食べる食生活なのに子どもの食習慣が野菜中心のバランス良い和食ということはまずありえません。
きっと家庭内で同じ食事をし、おやつも冷蔵庫や戸棚にある親が食べているのと同じものを食べて幼少期を過ごすはずです。
この食習慣は大人になっても繰り返されていきますので太りやすい食べ物をずっと食べ続けることになります。
また、運動についても親に運動習慣がないと子どももなかなか身体を動かすことに興味をもたなくなるでしょう。
つまり、親が太っていて自分も太っていると感じている子どもさんは太っている親御さんと同じ太りやすい生活習慣をもつ環境にいるということです。
肥満の遺伝子を持っている可能性+太りやすい生活環境のダブルパンチがあれば肥満する確率はとても高くなりますね。
ではこう考えてはいかがでしょうか?
肥満が遺伝するのは3割くらいのこと、残りの7割はすべて自分の意識次第で肥満から脱却できるのです。
脂肪や炭水化物などが主となる食事や間食の習慣をやめて、日々の適度な運動をとりいれる生活環境にしましょう。
太りやすい環境を自ら変えて、理想的な体型をキープできる生活習慣こそがダイエットの王道です。
腹八分目の食生活と適度な運動をしっかりとり入れて肥満の悩みから解放されてくださいね。
【注】
食生活や運動量などに何の問題がなくても遺伝性肥満のかたは一定の割合でいらっしゃるということです。
正しいダイエットをしても効果が見られない場合は遺伝性も考えられます。
今日も良い1日を。