高齢となった親の免許返納までの道 説得もケンカもした長かった涙の日々その③
2021/07/27
高齢の父が免許を返納するまでの家族の言い合い、ケンカetc.
免許返納まで思ったより長く、でこぼこ道を走るストーリーを回想して書いています。
高齢となった親の免許返納までの道 説得もケンカもした長かった涙の日々その①
高齢となった親の免許返納までの道 説得もケンカもした長かった涙の日々その②
からの続きです。
高齢者は車になぜ乗りたがる?
毎日、私たちのハラハラをよそに相変わらずドライブを楽しみに、何かと小さな用事を作っては車で出かけていく父。
私には車に乗るために日々わざわざ用事を作っているように見えました。
近くのスーパーで買えるような数百円のバスマットを買いに、郊外の大型インテリアショップへわざわざ車で出かけたり。
「車を運転できると生活の範囲が広がるからいいんだよ」
「車の運転はコミュニケーション。社会とのつながりを毎日感じてるから認知症にもならないだろ?」
こんな言葉をよく聞かされていたものです。
でも車という楽しみや趣味のために本人や誰かの人生が犠牲になっては困る!
一瞬の事故が自分と家族や他人の人生にまで重大な影響を及ぼすことをもう考える社会性が父にはなくなったのか?と怒りすら覚えました。
頼むから運転しないで欲しい・・・!
そんなことを言いながら免許を返納する気配を一向に見せない父の姿を見ながら、私たち家族はただ不安と怒りに似た感情から離れることができません。
もう鍵を隠すか車本体を隠すしかないというところまで精神的に追い詰められていきました。
車の鍵を隠すところまで
もう追い詰められているような不安から抜け出すには車の鍵を隠すしかない!と私は考えました。
でも、鍵を隠したところで運転をあきらめるということにはつながらないのではないか?
そしてある日、自動車販売の会社に勤める友人にいま高齢の親に車の運転をやめさせるので四苦八苦してるんだと相談しました。
しかしそのことで、あまり私の考えている作戦には意味がないのかということがわかります。
友人曰く、
本人の承諾なくして車を引き取ることはどの業者もやらないと思う
それに家族が車の鍵を隠しても本人が探し回って結局は店にスペアキーを作りに来る
と言うのです。
このようにだいたいは不毛な展開がこの先待ってるからやめろとアドバイスがあり、あきらめました。
隠したことがもとで家族間の絆に亀裂が入ることもあるそうで。
晩年にこれは悲しい。
それにしてもどこも高齢者の運転に関する悩みやそれについての考え得る対策は同じなんだな~とこの時思いました。
友人の勤める販売店のお客さんにも、家族から長きにわたり頼むから運転をやめてと頼まれている90才のおじいさんがいました。
ある昼下がりに、おじいさんは免許返納のことで家族とケンカして腹をたて、販売スタッフである友人に話を聞いて欲しいと運転して店へやって来ました。
その時、駐車場に停車することもなく店のショーウィンドウに突っ込んだそうです。もちろんショーウィンドウは粉々に。
原因はギアの操作ミスでした。
あとで聞いたらおじいさんは何度もこんな事故を近隣で起こしていたそうで、家族も困り果てていたとか。
人身事故を起こす前に絶対やめさせたい!と家族は説得を続け、運転をやめないおじいさんが車で出かけるとそれは身も細る思いで毎日過ごしていたとのこと。
そんな事態になるまで「運転をやめさせる」ことは誰にもできないのか?といつも通り暗ーい気持ちになりました。
(このおじいさんはその後やはり運転ミスで畑に車ごと転落し、怪我ですんだもののこれをきっかけに運転をやめたそうです。)
そして、ある日うちの父にも不意打ちにアクシデントが起こってしまうのです。
その④に続きます。
思いのほか長いストーリーとなり、意外な結末となった最終話は⑤です。
よろしければおつきあいください。
この時はまだまだでした。