高齢となった親の免許返納までの道 説得もケンカもした!長かった涙の日々その①
2020/12/10
今年80歳になった父が免許をするまでの本人と家族の葛藤の道を振り返りたいと思います。
最近は周りにもネット上にも高齢の親の運転が心配、免許を返納してほしいけど説得できない、という方が多いですね。
この体験がお役に立てれば・・と言うより、共感できる読み物として少しの時間楽しんでいただければと思っています。
コロナ災禍に始まりコロナ災禍に終わった2020年。
免許センターもコロナ対策で手続きを休止・縮小している中、高齢の父が60年間以上の最高の相棒だった運転免許証をようやく返納してきました。
高齢者の免許は何歳まで? それは各家庭で決めること?
免許をいつ返納するかについては、父ともう10年近く悩み話し合いを続けていました。
70歳を越えたくらいから運転をやめる時期を家族間で話していたのですが、最初の内は
「75歳になったら考えるから」
「アラフォー世代の私たちより運転技能が優れてるからまだ大丈夫だね、でも気をつけてね」
「さすがに80歳までにはやめないとだよな」
と、ひやひやしながらも時に余裕のある会話でやりすごしていました。
住んでいる地域の交通利便性や運動機能、認知機能など、免許をもっている高齢者が置かれている環境はさまざまですよね。
確かに一概に何歳で免許を返納するという決まりは作れないと思います。
しかし、この超高齢化社会ではある程度の目安と方針を国が出してくれないと、老人となったドライバーとその家族がこれほどまで迷って悩んで人間関係に軋轢を生むんだ
ということはもっと知ってほしいとしみじみ思いました。
運転技術の高い高齢者に免許返納をしろという説得は特に難しかった
もともとスキーの指導員免許もあり、若いころはダイビングもし、70代となってもゴルフを何人か生徒さんを持って無料で教えるほどのスポーツ万能な父。
運転はもちろんお手の物で、40代の私たちよりはるかに上手で、当然一度も事故を起こしたことはありませんでした。
車の運転をいつやめるか?
免許を返納するとどうなるのか?
運転が生活の要であり楽しみであり、もはや生きがいともいえる趣味となっていた父がどのように人生で「もう車を二度と運転することはないんだ」と決心できるのか?
75歳を過ぎたころから高齢者ドライバーの免許返納については家族がとても悩み、時には本人と言い合いになり、ケンカをしました。
窓口にも相談しました。
でも父は「免許センターで40代並みの運動神経だと言われたし、クランクも縦列も問題ない。なぜ年齢だけを見て免許を取り上げようとするのか?」と。
話になりません。
確かに若いころから運転技術が特に優れていて、運動や運転に自信がある父には納得がいかなかったのでしょう。それもわかります。
私はそのやり取りを聞いて、肩をがっくり落としながら帰途についたことを覚えています。
それにしてもなぜ運転免許を返納することにこれほどの人間関係の軋轢を生むのだろう・・・。
もう国で〇歳で免許を返納するという制度を作ってもらえないだろうか?
75歳以上の高齢者は免許更新をもっともっと難しくしてもらえないだろうか?
毎日のようにテレビで事故のニュースを見るたびに、胃が痛くなり、父の子どもである私たち自身のそれぞれの生活にも暗い影が落ち始めてきていました。
その②へ続きます。
高齢となった親の免許返納までの道 説得もケンカもした長かった涙の日々その②
私たちはまだまだこれから色々な心の動きを味わうことになりました。