柿の健康パワー 栄養が二日酔いやがん 骨粗しょう症予防にも
日本を代表するの秋冬の味覚のひとつ、柿。
かたくてしっかりしたものが好きな人、柔らかくてとろとろになりかけたものが好きな人、好みはそれぞれですね。
皮ごと食べることができないため、むくのが面倒で実はそれほど食べる機会がない人もいるようです。
柿が赤くなると医者が青くなるというほど健康に良い果物だとご存知ですか?
栄養満点、天然の機能性食品である柿を食べないのはとてももったいないので、ぜひ秋冬は柿のパワーを身体にとり入れてください。
柿タンニンが二日酔いに効く
柿には「タンニン」という物質が含まれており、このカキタンニンが渋みの素にもなっています。
タンニンとは植物に由来する水溶性化合物の総称でポリフェノールの一種です。
タンニンと言えば「渋味」というほど。
もはやタンニンと言うよりお茶や渋柿の「渋味」のほうがわかりやすいのではないでしょうか?
果肉の中にタンニンが不溶性(水に溶けていない状態)でのこっているのが甘柿。
一方、タンニンが果肉中に溶けていて渋いものが渋柿です。
たいていアルコールや炭酸ガスで「渋抜き」をし、甘くなったものが販売されています。
渋柿を乾燥させて渋抜きをしたたものが「干し柿」です。
どれも柿パワーをとり入れるには手頃です。
そして、忘れてはならないのがタンニンがもつ二日酔いを予防する効果です。
お酒を飲む前に柿を食べると、血中アルコール濃度が低く保たれ、酔いが冷めやすくなることがわかっています。
柿に含まれるカキタンニンがアルコールの体内への吸収を阻害し、またアルコールを分解するため酔いが回りにくく冷めやすくなると言われています。
ポイントは「柿をお酒を飲む前に食べること」です。
お酒の席の前には柿をひとつ食べて出かけましょう。
また、「柿を食べる前にお酒を飲んじゃった!」と言う場合もご安心ください。
飲酒前に食べる柿よりも体内でのアルコール濃度の上昇を抑える効果は低くなります。
ですが、タンニンにはアルコールを分解する働きがあり、それにカリウムが持つ利尿作用でアルコールを尿として速やかに排出することで二日酔いにも効果が期待できます。
お酒を飲んだ後でも食べないよりは食べたほうが二日酔いを防止する効果が期待できますね。
柿の栄養が病気予防に!
さて、柿にはビタミンC、βカロテン、カリウム、マンガン、食物繊維などの豊富な栄養素がたっぷり含まれています。
中でもビタミンCの含有率は果物の中でもトップクラス!
風邪の予防や美肌に効果が期待できますよ。
そしてβカロテンと言えばアンチエイジングに必要な抗酸化作用をもつ優秀な栄養素ですね。
βカロテンにも粘膜を健康に保ち、新陳代謝を高める美肌作用があります。
また、同じカロテノイドの一種であり、柿のオレンジ色素の成分であるβクリプトキサンチンをご存知ですか?
このβクリプトキサンチンにも見逃せないパワーがあります。
まず、飲酒による酸化のストレスを軽減させることです。
タンニンの二日酔い予防効果とともに、柿はお酒を飲む人には欠かせない果物になりそうですね。
その他にもβクリプトキサンチンの血中濃度が高い人ほど骨粗しょう症の発症リスクが低くなっています。
βクリプトキサンチンを多く摂る人に肺がんや子宮頚がんの発症リスクが低いという報告があります。
そして、先ほど二日酔い予防の効果で登場したタンニンは血圧を上昇させるのを抑える効果もあります。
柿の栄養に期待される効果
- 風邪の予防
- 美肌効果
- がん予防
- 高血圧、動脈硬化の予防
- 骨粗しょう症予防
- 二日酔いの予防と改善
旬の頃は手ごろな値段で入手しやすい庶民的な柿にこんなパワーがあるのならぜひ毎日のメニューに加えたいですね。
柿の選び方と使い方
では、どのようにおいしい柿を見分ける方法があるのかをみてみましょう。
おいしいと感じる硬さなども好みがあるので一概には言えませんが、基本的な選び方は以下の通りです。
おいしい柿の選び方
- 柔らかすぎないもの(柿は熟すのが早いため)
- へたがきれいなな緑色である
- 手で持った時に重量感がある
また、柿は加熱することでストレス軽減作用のあるGABAや血流促進作用があるシトルリンが2倍以上します。
生で食べるのはもちろん、加熱や加工された柿からもその健康増進パワーをとり入れることができます。
柿の使い方レシピ一例
- 柿のサラダ(カッテージチーズやハーブ、ナッツと一緒に)
- 柿の生ハム巻き(メロンの代わりに柿を生ハムで巻いて)
- 干し柿の春巻き(熟した柿、または甘い干し柿を春巻きの皮に包んで揚げるだけ)
- 柿のジャム(柿3個をさいの目に切り、砂糖30gと好みで水を加え鍋で煮詰める。最後にレモン汁5~10gを加えて出来上がり)
柿は医者いらずの果物
こんな面白いことわざを耳にしたことがありますか?
「柿が赤くなると医者が青くなる」と言うように、柿は私たちを医者いらずにする果物と言われています。
このことわざの意味のひとつは赤く色づく頃の柿を食べていると病気を遠ざけ、お医者さんの仕事が減って顔色が青くなるというものです。
これほど栄養満点の柿を旬の季節に食べない手はありません。
柿は食べ過ぎに気をつけて日々の健康と美容に役立てましょう!