血糖値を抑える大麦がすごい 健康やダイエット効果とアレルギーは?
2016/09/28
雑穀ご飯や麦茶の原料でおなじみの大麦が健康とダイエットに抜群な食材だということをご存知ですか?
大麦は肥満やメタボに深く関係する血糖値を上げないセカンドミール効果食品であり素晴らしいスーパーフードなのです。
糖尿病には麦飯がいいのはなぜ?
食後血糖値の急激な上昇、日々繰り返す血糖値の乱高下は糖尿病、肥満やメタボ、生活習慣病の原因です。
太りたくない、ダイエットしたい、メタボを解消したいと思うなら食後の血糖値を上がりにくくすることが大切です。
大麦にはとても豊富な食物繊維が含まれています。
食物繊維には水溶性・不溶性と2種類あり、それぞれが違う便通を促進する働きをします。
血糖値のコントロールはもちろん、便秘を治し、肥満解消のダイエット効果を望むならまずは食物繊維を毎日とる必要があるのです。
日本人に不足しがちなこの食物繊維を2種類ともバランス良く持つのが大麦です。
なんと大麦に含まれる水溶性食物繊維は白米の20倍と言われています。
他のライ麦やオーツ麦、玄米などの穀物類や野菜などと比べても大麦は多くの水溶性食物繊維を含んでいます。
この水溶性食物繊維に含まれるβグルカンという物質は食後の血糖値を抑える働きがあります。
しかも、驚くことに大麦の食後高血糖を防ぐ効果は数時間~半日後まで続くとされています。
食事の直後だけでなく、その後の食事、また次の食事と続けて食後の血糖値を抑制する効果をセカンドミール効果と呼びます。
大麦は粒全体に網目のようにめぐらされた食物繊維の間にでんぷんが入りこんだ形状をしています。
そのため消化酵素がでんぷんに近づきにくいため、消化吸収のスピードが緩やかになり血糖値が上がりにくいのです。
しかし、例えば朝に食べた大麦が夜の食事の血糖値上昇まで抑えられるというのは不思議ですね。
このセカンドミール効果が10時間以上も続くとされるのはなぜでしょう?
まず数時間後に腸の中ででんぷんが分解されていくと、血糖値のコントロールを良くする働きのホルモンであるGLP-1が分泌されます。
これで昼食の食後血糖値の上昇が抑えられます。
そしてその10~16時間後には大麦が含む難消化性でんぷんが腸内細菌による発酵を受けます。
このプレバイオティクス効果により血糖値や食欲をコントロールするホルモンが再び分泌されることになります。
このようにして、大麦のセカンドミール効果では一日中血糖値の上昇が抑えられると言うわけです。
またこのβグルカンには血中のコレステロールを減少させる作用も期待されています。
上がった血糖値やコレステロールの値を下げることより、まずそれらの値を上げない生活を続けるほうが大切ですし簡単です。
まさに大麦は健康とダイエットをたすけるスーパーフードなのです。
小麦アレルギーの人の大麦摂取は大丈夫?
大麦へのアレルギーはとても少ないものです。
大麦アレルギーがあれば麦茶にもアレルギーが出てしまいます。
大麦が原料の麦茶にアレルギー反応が出るような方はいくら健康と美容のためにでももちろん大麦のご飯を召し上がらないでください。
もっと「大麦をたべても大丈夫?」と心配になるのはとても多い「小麦アレルギー」の方でしょう。
実はこの小麦アレルギーの人が大麦を食べても大丈夫か?という疑問には2通りの見解があります。
ひとつは長く言われている「小麦アレルギーでも大麦は食べても心配ない」というものです。
小麦アレルギーは成分中の小麦グルテンというたんぱく質へのアレルギーです。
同じ麦類でも小麦グルテンを含まない大麦、オートミール(オーツ麦)、ライ麦などをアレルギーのために除去する必要は基本的にありません。
もう一つの見解は、多くはないものの小麦アレルギーなら同じ麦類の大麦などにもアレルギーが起こる可能性があるので控えるべきというものです。
この小麦と大麦といった同じ麦類、同じイネ科の穀物というように複数の食材にわたってアレルギーが起こることを交差反応と言います。
小麦アレルギーを持つお子さんの約20%に交差反応がみられたという報告例があります。
小麦アレルギーをもつかたで健康と美容に良いスーパーフードの大麦を始めたい方に一番良いのはかかりつけ医に相談することです。
大麦のアレルギー検査を受ける、小麦と大麦のアレルギーの交差反応について説明を受けるなどをしてください。
アレルギー防止のためには大麦も除去すべきなのか、少量ずつ食べれば良いのか、または普通量を食べてよいのかを訪ねて安心して大麦を召し上がってください。
麦ご飯の炊き方 レシピ
麦ごはんといえばたいてい大麦を炊きやすく加工された押し麦を白米に混ぜて炊いたものです。
押し麦は大麦を蒸気にあてた後ローラーで平たく伸ばしたもので、中央に黒い線が入っている形状をしています。
麦とろ定食などを注文すると、白米の中に黒い線の入った平たいお米のようなものが混ざっていますね。
これが押し麦です。
押し麦は最もスタンダードな大麦だと言えるでしょう。
では押し麦を使って美味しい麦ごはんを炊いてみましょう。
種類は押麦、胚芽押麦、米粒麦、純麦など大麦であれば分量は同じです。
準備するもの(3人分)
- 白米 2合(300g)
- 大麦 50g
- 水 300㏄ (白米2合分)
- 水 100㏄(大麦50g分)
※水の分量は麦の2倍と覚えましょう。麦は米よりも多く吸水します。
※麦は研いであるので洗う必要はありません。
炊き方
- まず白米をいつも通りに研いで水を入れて炊飯器にセットします
- そこへ大麦50gを入れます
- 大麦2倍量の水(100㏄)を加えます
- 米と麦を軽く混ぜた後に30分間ほど浸水させます
- 通常モードで炊飯します
- 炊き上がったらふっくらと混ぜ合わせます
できあがりです。
押し麦は
- 炊き込みご飯
- チャーハン
- 洋風・和風リゾット
などにももちろん簡単に使えます。
また、麦はくせのない食材なので用途が広く栄養満点でダイエットにも良いメニューのレパートリーに簡単に加えることができます。
- クッキーやケーキの生地に混ぜる
- 茹でた押し麦をスープ、サラダ、ヨーグルトに加える
など工夫次第でいろいろ楽しめます。
押し麦はスーパーなどでだいたい500gが400~500円くらいから販売されています。
やわらかなふっくら白米にミックスされたぷちぷちとした弾力のある麦の食感はとても食事を楽しくしてくれます。
食後血糖値を長時間上げずにコントロールして生活習慣病予防、肥満やメタボ解消。
健康やダイエットなど美容に大きな効果が期待される大麦。
ぜひ毎日の健康と美容に美味しい大麦生活をスタートしてみてくださいね。
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