習い事の先生へのお歳暮やお中元は必要or不要?最近の風潮は?
2018/12/13
いつも熱心に指導をしてくれる習い事の先生。
日頃の感謝をこめてお中元やお歳暮を贈るのはマナーなのか迷ったことがありませんか?
昔と現在では習い事の先生への贈答は形を変え、先生や生徒の意識も変化してきているようです。
お中元やお歳暮は必要なのか、また注意すべき点などについてまとめました。
先生へ日頃のお礼を贈り物にすべき?
まず、習い事の先生へお中元やお歳暮をお渡しするのは義務ではありません。
自分自身やお子さんへのいつもの指導に感謝を形にしてあらわしたいという気持ちを込めてお渡しするものです。
必要か必要でないかと言われれば、その教室の流儀やしきたりに決まりがなければ「必要ない」と言えるでしょう。
ただ、昔は習い事の先生には感謝をこめてお中元、お歳暮などの季節のご挨拶をするものという風潮がありました。
最近では習い事や教室の形態、個人の価値観も多様化・合理化してきたためかこの風潮がすたれてきているようです。
生徒さんや子どもを習い事に通わせる保護者の方も「月謝や発表会などの代金をお支払しているので他にはしなくて良い」と考える方が多くなりました。
お中元やお歳暮について現代の先生の間では、
- 習い事のレッスン代やお月謝などを報酬として頂いているのでそれ以外の贈答は不要
- 逆に気を遣ってしまうので贈答品など金品の授受はしたくない
という意見がある一方で、
- 昔は生徒さんからお歳暮などの習慣があったが最近はなくなってきてさびしい
- 指導への感謝としてしてボーナス的にいただけるのはありがたい
- レッスン環境を維持向上させるために雑費がかかるのでやはり月謝以外の贈答は嬉しい
という意見もあり、やはり先生の考えもさまざまです。
私自身はその昔子どもさんの勉強を指導したことがあります。
そこにいつもお世話になります、と旅行のおみやげを持ってきてくださったり、わざわざお菓子を差し入れくださる保護者の方がいました。
その気持ちが嬉しかったけれど恐縮しました。
ご好意はとてもありがたいけど絶対に無理はしないでね!というところが本音です。
それよりはこの勉強を長く続けてくれたほうが嬉しいと思いました。
逆のケースをお話ししましょう。
私にはピアノ教室の先生をしている友人がいます。
個人経営ではなく「雇われ先生」です。
お歳暮はその教室内では慣習化しており、他の先生もちょっと楽しみにされているんだとか。
レッスンの月謝はもちろんありがたい、それでも先生業は雑務もあり意外と大変だしボーナスもなく不安定なもの。
レッスン料のみで生活が豊かになるほどの収入源とはならないので贈り物は無条件に嬉しいそうです。
ホンネでいうと特にうれしいのは「現金」「商品券・ギフトカード」だと言っていました。
でも何と言ってもそのお歳暮を感謝のしるしとして毎年面倒がらずに下さる生徒さんや生徒さんの保護者の方の気持ちが一番嬉しいとも。
かなり極端に二つの例をお伝えしましたが、決して私の方が良心的で善良と言うことではありません。
この2例には全く違うように見えて実は共通するひとつの軸があります。
「指導への感謝の気持ちが嬉しい」ということです。
お中元やお歳暮ではなくても、先生へ日頃の感謝を伝えたいのであれば何らかの形でお礼を伝えるというのは非常に有効な良いコミュニケーションになることは確かです。
そういう意味では感謝の意を表す良い機会であるお中元やお歳暮は「絶対必要ではないが好ましいコミュニケーション」とも言えますね。
贈答が習慣となっている習い事も
習い事の種類や教室の形態などによってそれぞれのしきたりや慣習から先生へのお中元やお歳暮がきまりとなっているものがあるのは確かです。
- 茶道、華道、日本舞踊など、作法や流儀および師弟関係が厳格で習い事自体にお金がかかるもの
- ピアノ・ヴァイオリンなどの音楽、バレエ、書道教室etc.プロや師範養成コースがあるような長く続ける習い事
- 発表会が盛大に行なわれる教室
大きくこの3つに当てはまる習い事教室には贈答の習慣があるところが多いように見受けられます。
先生と生徒の関係が濃厚になる傾向が強い習い事には昔ながらの贈答の考えが根付いているようです。
古くからそのお稽古事のならわしとしてお中元、お歳暮、その他にもお年賀や先生への誕生日プレゼントなどが常識となっているものも実際にあります。
もし、生徒(お弟子)さんに代々受け継がれてきたその教室のしきたりがあれば従うのが一番スムーズです。
贈る前に、先輩にあたる方や周囲の仲間の方にあらかじめ「このお教室では皆さんお中元(お歳暮)はどうなさるのですか?」とそっと聞いておくと良いですよ。
もし取りまとめ役の方がいれば、個人からではなく生徒全員から代金を徴収してまとめ、連名で先生へ贈答品をお渡しすることになるかもしれません。
または
「ここではそういう習慣はないようですよ」
「だいたい皆さん個人的に夏と冬に○○を差し上げています」
「お中元やお歳暮ではなくて、お年賀と発表会(展覧会)のお礼をお包みしています」
のようにその教室にある暗黙のルールを教えてくれます。
運営団体によっては贈答を一切受け取ることを禁止している教室もありますし、個人経営の先生にもそのような自分のルールがある場合があります。
できれば同じ教室に通われている方にあらかじめ最近の教室でのお中元やお歳暮などの贈り物についてのルールを聞いておいたほうが良いでしょう。
自分だけで判断して先生に個人的な贈り物をすると周りから浮いたり、はからずも迷惑になってしまうこともありますので事前リサーチは重要です。
お中元やお歳暮について、
- 先生への贈答は禁止または受け取り辞退とされていないか
- 教室で金額などなんらかの取り決めがあるのか、または個人的に贈って良いものなのか
- 個人で贈るなら金額の相場はどれくらいか、どんな品物が良いのか
などを下調べしてから贈答の準備を始めることをおすすめします。
お中元とお歳暮のマナーに注意
お稽古に通われる皆さんの中でも先生にはお中元とお歳暮、お歳暮だけ、そのどちらもナシというように贈答の考えがまちまちな場合もあります。
差し上げたいなら先生へのお中元やお歳暮がある程度形式化しているようなお教室のほうが、迷うこともなくある意味楽かもしれませんね。
では、他の皆さんは差し上げていないようだけれども、自分は個人的に贈り物をしたいという場合はどうでしょうか?
お中元やお歳暮を差し上げることが決まったら、注意なさるべきことをお伝えします。
ここは大切ですので心に留めておいてくださいね。
- お中元を送る相手には必ずお歳暮も送るのがマナーです。
- お中元かお歳暮のどちらかだけを贈る時は「お歳暮」を贈ります。
- そして一度お歳暮を送った相手には毎年贈るのがならわしです。
もしその教室において先生へのお中元・お歳暮がしきたりやマナーでないならばここは良く考えていただきたいところです。
毎年のお中元とお歳暮を贈ることが金銭的にも精神的にも負担になるから習い事を辞めたいとなるのでは全く本末転倒です。
習い事をする際に月謝、その他発表会や教材道具のなど必要な費用を納めるのは義務ですが、一般的に贈答は義務ではありません。
無理をして贈答をすることで習い事が続かないのでは元も子もありません。
ただ、
「自分は不出来でレッスンを延長してもらうことがあるから感謝の気持ちを贈りたい」
「発表会前に特別な指導やアドバイスを受けたからお礼がしたい」
「先生に日頃の感謝の気持ちを形にして伝えたい」
と言うこともあるでしょう。
その際はお中元やお歳暮などの表書きにせず「お礼」としてお贈りするのが良いと思います。
お中元やお歳暮は毎年続けていくのがマナーなので、習慣化、義務化しやすいものです。
お礼として気持ちをあらわすのはもっとマナーの縛りが少なくて済みます。
お中元やお歳暮のマナーに縛られずに感謝の気持ちを「お礼」として贈るということも一案ですね。
まとめ
では習い事の先生へのお中元やお歳暮はどうするべきかについてまとめましょう。
- 習い事の先生へのお中元やお歳暮は義務ではない
- 日頃の感謝の気持ちを伝えるには良い手段である
- その教室に代々伝わる贈答の決まりがあればそれに従うのが良い
- 習い事の種類や教室によってはお中元やお歳暮などが慣習となっているものがある
- お中元やお歳暮は毎年贈ることがマナーとなる
- 感謝の気持ちをマナーに縛られず送りたいならお歳暮などではなく「お礼」としても良い
ぜひご参考になさり、スッキリとした気分で習い事を楽しんでくださいね。
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