海や川で溺れるのを防ぐ 溺れないために対処は?救助方法は?
2017/07/31
毎年気温が上がってくる初夏からは各地で河川や海へお出かけする人々が増えてくる季節ですね。
子どもの夏休みのレジャーと言えば川遊びや海水浴、プールと昔から水のレジャーは夏のお決まりの楽しみ方です。
ただ、この季節とあわせて急激に増えてくるのが水の事故です。
重大な水難事故は残念ながら毎年起こり、なかなか減ることがないのです。
注意するべき点は多くありますが水辺のレジャーに出かける前に簡単にできることをチェックして重大な水難事故を防ぎましょう!
川で溺れる子どもが多い原因
海や川、湖、プールなどの水域で溺れるなどの事故を水難事故と言います。
この水難事故は海や川とひとくくりにして話されることが多いようです。
2015年の水難事故の死者・行方不明者の発生場所の50%以上は海となっています。
しかし、中学生以下の子どもに限ると水難事故の40%以上が河川で発生しています。
海に子どもだけで行くことは少ないけれども、川は子どもだけで行く機会が多いからでしょう。
まず、子どもだけで水辺へ行かせないこと、必ず大人が同行することが水の事故防止には必要です。
また、海水は塩分が多く比重が重いので人が浮きやすい一方、川水は比重が軽くなる場合が多く人が沈みやすくなります。
その上、流れのある川では溺れた時に重大な事故になるリスクが高くなります。
そして、最近とても多くなったゲリラ豪雨も本当に怖いですね。
雨が降り出したと思ったら急にバケツをひっくり返したようにザーッと降り、水深が急に深くなってしまいます。
さらに怖いことに天気が良い川の中流で楽しく遊んでいても、上流域に大雨が降るといきなり川が増水して流されて溺れてしまう危険があるのです。
これらは子どもに限らず大人の場合でも同じですので、天気も良いし浅い川だから大丈夫などと油断しないようにしてください。
特に子どもとの水辺のレジャーでは大人が必ず同行し子どもの動きから目を離さないようにしましょう
溺れない方法は何?
水の事故を回避するためにできる大きな4つの準備は
- 出かける地域の天気予報をチェックする
- 河川の場合は上流地域の天気もチェックする
- 救助用ロープを持参する
- ライフジャケットを着用する
水難事故が起きた時に、なぜあんなに泳ぎが得意な人が溺れたのか?という声がよく聞かれます。
「泳ぎが得意だから溺れるなんてことはない」というのは大きな誤りです。
人間は服を着たままだと泳ぐことはおろか、水に浮くことすらとても難しくなります。
私は着衣水泳と言う訓練を受けたことがあります。
水着なら1kmくらいは楽々泳ぐことができますが、洋服を着たままでは1メートルですら泳ぐことはできませんでした。
泳ぐという動作以前に、水の中では袖に鉛の重石をつけたように手を上にあげることができず、身体を横にすることすらできません。
水中で溺れてしまったら、泳力は関係ないと言えます。
おそらく浮くことができないかぎりトライアスロンの選手も、5メートルも泳げない人も同じようなものです。
溺れないためには浮くことが何よりも必須条件となります。
まず溺れないようにするためにライフジャケットの着用はとても有効です。
万一溺れそうになってしまったら、まず浮くことが命を守るのに一番必要だということを頭に入れておいてください。
ではライフジャケットを着用しないで溺れそうになった時はどうすればよいでしょうか?
それは「浮いて待て」を守ることです。
水面から浮いていることが命を救うのに最も大切な条件となります。
泳ごうとしてはいけません、浮くのです。
ただ浮いて救助が来るのを待ちます。
- ラッコのように背浮きで待つ
- 靴を履いていたら手足をヒトデのように開いて浮いて待つ
- 素足なら腕をバンザイして上にあげた状態で浮いて待つ
仰向けに鼻と口を水面上に出した状態で浮いて呼吸を確保しましょう。
水難事故を消防に通報して救助が到着するのは約8~9分です。
この時間を浮いて救助を待てれば、助かる見込みが確実に高まります。
東日本大震災の際に屋内で津波に襲われた小学生が「浮いて待て」を実践して救助されたという例もあります。
ライフジャケットを着用するのが浮くには一番ですが、洋服や水着のままでも「浮いて待て」の姿勢で重大な水難事故となるリスクを回避しましょう!
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溺れた人を助ける方法は
では溺れた人を川や海で見つけた場合、周囲の人はどのように救助するべきなのでしょうか?
前章のとおり、飛び込んで助けに行っても着衣のままでは水中で泳ぐことはとても無理だと考えられます。
普段泳ぎが得意だからと水に飛び込んで溺れた人を助けに行っても、救助できる可能性はかなり低いでしょう。
それどころか、陸からなら救助できたかもしれないのに水に飛び込んだために2人とも溺れてしまうという最悪のケースになりかねません。
溺れている子どもを助けに水に入った大人が、子どもにつかまられて覆いかぶさられて一緒に溺れてしまったという悲しい事故も少なくありません。
溺れる人を確実に救助したいならまずは落ち着いて周囲に助けを呼び、自分は水に入らずに救助することです。
溺れた人の救助ポイント
- 水に入って助けに行かない
- 「浮いて待て」と呼びかける
- 周囲へ助けを呼び119番通報してもらう
- 溺れている人へ棒やロープを投げてつかまらせる
- つかまって浮きそうなものを投げ入れる
身近にある浮くものの例
- 2リットルサイズのペットボトル
- サッカーボール
- クーラーボックス
- ランドセル
など。
溺れた人を水へ入って救助することは二次災害を招く危険性があるので、水中の救助は専門家にまかせましょう。
水難事故を防ぐポイント
水辺へは子どもだけで行かせないようにしましょう。
海や川のレジャーへ出かける前と最中は天気予報のチェックを忘れずにしましょう。
ライフジャケットや救助用のロープを持って行くのがおすすめです。
万が一溺れたときは、泳ごうとせずかならず「浮いて待て」の姿勢を守り(守らせ)ます。
溺れた人を救助するときはあわてて水に入らず、落ち着いて陸から確実に救助する方法を試しましょう。
ご参考になれば幸いです。