重陽の節句とは 縁起が良い菊のパワーで不老長寿と若返りを祈願!
2016/09/27
9月9日の重陽の節句(ちょうようのせっく)をご存知ですか?
菊の節句や栗の節句などと呼ばれることもある優雅なお祝いの節句です。
しかし最近では重陽の節句をお祝いする方はとても少なくなってきました。
なぜこのめでたい節句のお祝いはすたれてきてしまったのでしょうか?
また、重陽の節句と言えば菊の花。
菊は不老長寿をあらわす花として重陽の節句には欠かせない縁起の良い花です。
菊を用いた重陽のお祝いの日の過ごし方はどのようなものでしょうか?
重陽の節句はなぜ廃れたのか?
9月9日のに重陽の節句のお祝いをするご家庭は今ではだんだん少なくなりました。
しかし、「おくんち」「長崎くんち」「唐津くんち」などというお祭りの名前を一度は聞いたことはあるのではありませんか?
「くんち」のもとは「九日、くにち」という意味です。
秋の収穫祭として今でも九州地方では盛大なお祭りが行なわれます。
五節句の最後を飾るめでたい重陽の節句はなぜ家庭ではそれほどお祝いの習慣がなくなってしまったのでしょうか?
それは今私たちが使っている新暦と旧暦のずれにより菊の花の盛りであるシーズンにもずれが出来たためだと考えられます。
現在の9月9日と言えばまだ残暑厳しい盛りですね。
菊が美しく咲く盛りのシーズンには早すぎるのです。
重陽の節句が現在では菊の節句としてお祝いすることが少なくなった大きな理由のひとつは暦の変化にあるようです。
もうひとつ、重陽の節句の風習がすたれたと考えられる理由は数字です。
中国ではめでたいとされる陽数(奇数)の最大数が9となり、その陽数最大数の9が重なる重陽の9月9日はとても縁起の良い日です。
しかしながら、私たちの日本では9と言う数字が「苦」を連想させることから逆に縁起の悪い数字とされます。
このため、中国では最高に縁起の良い9月9日の重陽の節句は、日本では「苦が重なる」というイメージとなり、お祝いの習慣がすたれたとも考えられます。
重陽の節句の食べ物や飾りは?
菊と言えば、中国から「邪気を払い、寿命を延ばす効果がある花」として伝わった縁起の良い花です。
ご家庭での重陽の節句は以下のような食べ物や飾りなどでお祝いします。
菊の花、アレンジを飾る
邪気を払い、災厄をよせつけないとされる菊の花を家に飾り、家庭の安全を祈ります。
もちろん観賞用として菊をめでることはお祝いの意味を高めてくれます。
菊酒をつくる
菊の花びらをお酒に浮かべて飲むことで無病息災を祈ります。
菊の料理を食べる
食用菊をおひたしにしたり、お吸い物にするなどして菊の長寿パワーを身体にとりこみます。
菊枕にする
重陽の日に摘んだ菊の花の花びらを乾燥させて枕に詰めます。
邪気を払い、頭や目を良くすると言われます。
栗ごはん、栗おこわを食べる
重陽の節句は菊の節句のほかに「栗の節句」とも呼ばれます。
菊とともに栗料理をお祝いの食卓に並べてお祝いします。
菊の着せ綿をする
重陽の前日に菊に真綿をかぶせ、菊の香りがうつったその真綿で身体を拭って無病息災と長寿を祈願しました。
菊の着せ綿については興味深いパワーがありますので次章でお伝えします。
重陽の菊の着せ綿には若返りを期待
重陽の節句では邪気払い、不老長寿、無病息災を願う花としてと縁起の良い菊の花が主役です。
もうひとつ、特に女性には聞き逃してはもったいない重陽の菊の花にまつわる行事をお伝えします。
それは「菊の着せ綿(被綿)」と呼ばれるものです。
菊の着せ綿とは、菊の香りを真綿に移すことです。
9月8日の夜に菊の花に真綿をかぶせ、菊の花の露と香りを真綿に移します。
そして、翌日の9月9日にその菊の香りがしみこんだ綿で身体をなでることで健康と長寿を祈りました。
また、その真綿で肌をぬぐうと若返りに効き目があるとされていました。
これは平安時代の宮中の女性に大変喜ばれた行事です。
いつの時代も女性が若く美しくありたい気持ちは同じなのですね。
昔の女性たちがこぞって菊の着せ綿でお肌をぬぐいながら笑いさざめきあっていた様子が目に浮かびませんか?
現代でも菊の着せ綿は家で簡単にできるでしょう。
重陽の節句に合わせて菊に真綿をかぶせてその若返りのコットンでお肌のお手入れをしてみてはいかがでしょうか?
重陽の節句には縁起の良い菊の花で
重陽の節句はとてもめでたいお祝いの節句です。
邪気を払い、健康と長寿、さらには若返りの効き目まで期待できる縁起の良い菊の花で優雅にお祝いしてみてくださいね。