端午の節句お祝いのちまきと柏餅 地域での違いが面白い!
2017/04/12
5月5日は端午の節句、男の子の健やかな成長を願うお祝いの日です。
こどもの日とも呼ばれます。
この日の食卓には端午の節句ならではの食べ物が並び、お風呂には菖蒲を浮かせて菖蒲湯に入ります。
端午の節句に食べるちまきと柏餅にはどのような意味と違いがあるのでしょうか?
端午の節句にちまきと柏餅を食べるのは
こどもの日に並ぶお食事はちらし寿司、またお家の食卓ではなくレストランでというお祝いのしかたも多くなりました。
まずは日本古来より伝わる端午の節句ならでは食べ物にちまきと柏餅について由来と豆知識をお伝えします。
ちまき
こどもの日の歌の定番、♪ちまき食べ食べ兄さんが~ はかってくれた背の竹~♪という歌詞にも出てくる欠かせない食べ物。
漢字では「粽(ちまき)」と書きます。
和菓子屋さんにこどもの日あたりの期間にだけ並びます。
ちまきを端午の節句に食べるようになったのは中国の故事からです。
大昔、楚とよばれるの時代の中国に屈原(くつげん)という人物も能力も優れた大臣がいました。
周りにはその優秀な屈原を妬むものがおり、屈原は大臣を失脚させられます。
やがて失望した屈原は大河に身を投げ自らの命を絶ってしまったのです。
人望のあった屈原の死を嘆き悲しんだ人々は、彼の命日の5月5日に米を煎れた竹筒をその河に流して屈原を供養しました。
この米を入れた竹筒がちまきの起源と言われています。
柏餅
端午の節句に柏餅を食べるのは柏(かしわ)の木のもつ縁起の良い特性に起源します。
柏の木は若い葉が出てきてから古い葉が落ちるという特性を持っています。
次の世代へ確実にバトンタッチできるというイメージの柏の木は、家系が絶えないことへの縁起かつぎの意味があるのです。
家系が絶えないと言うことはその昔の武家にとっては非常に大切なことでした。
この縁起の良い柏の木の葉で巻いたあん入りのおまんじゅうが柏餅です。
子孫繁栄を願う柏餅は端午の節句に欠かせない和菓子となっています。
さて、ちまきも柏餅も草の葉で食べ物を巻いているのにお気づきでしょうか?
昔の人は草の葉で食べ物を雑菌から守り、腐るのを防いだのです。
先人の知恵は素晴らしいものが多いですね。
関西のちまき 関東の柏餅?
「ちまきと柏餅の違いって何?」
という疑問がわく方もいらっしゃるでしょう。
「関西のちまき、関東の柏餅」
といわれれるように、端午の節句のお祝いは地域によって身近な食べ物が違います。
おそらく関東をルーツにもつ家庭、または関東で幼少期に育った方は
「ちまきと柏餅って、ごはんとスイーツで全く違うもの!」
と感じられるのではないでしょうか?
関西で言うちまきは上新粉からできた棒状のお団子で、名古屋名物のういろうのような「和菓子」です。
一方関東では肉や野菜のうまみで炊いたもち米の味付きの「ご飯」のことをちまきと呼びます。
関西のちまきとはっきり区別するために「中華ちまき」と表示されたり呼ばれたりしています。
関西ではちまきといえば粽(ちまき)の葉に包まれた細長いお団子です。
しかし関東でちまきと言うと一般的にごはんやおかずの一品となるとなる中華ちまきを指すという違いがあります。
そして柏餅。
関西のちまきと関東の柏餅はこどもの日にどちらも和菓子店、和菓子売場で見かけます。
しかし同じ和菓子でも関西のちまきは餡が入っておらずお団子の風味を味わうものですが、関東の柏餅はあずきや味噌など餡入りです。
関東ではこどもの日のお祝いにご飯にちまき(中華ちまき)を食べておやつやデザートに柏餅!ということも珍しくありません。
端午の節句のお祝いの食卓には
端午の節句のお祝いには縁起の良いちまきや柏餅でぜひお食事メニューを飾ってください。
食欲旺盛な男の子さんなら関西の方でも「中華ちまき」と和菓子の「ちまき」の両方なんて良いですね。
関東でちまきと呼ばれる中華ちまきは肉も入ってボリュームがあり食べ盛りのお子さんのお腹を満たしてくれるでしょう。
最近はすぐに食べられる中華ちまきをお店で買うこともできますが、
「家族がちまきをいくつ食べるか・・・食費が大変!」
または
「こどもの日にはお祝いのごちそうをぜひ手作りしたい」
という方におすすめがあります。
それは、自宅でお好みのちまきを食べたいだけ作っておくことです。
作り方を簡単に言うと、
- ちまきの葉を用意するかちまきの葉がなければ竹の皮を用意しておきます
- もち米と肉やエビ、野菜、キノコ類などを味付けして炒めます
- できあがったちまき用の味付きご飯を三角形にちまきの葉か竹の皮で包み、蒸します
というものです。
野菜をたっぷり入れればご家族の健康にも良いヘルシーな中華ちまきになります。
またこどもの日はお出かけで忙しくて当日はちまきを作れない!という場合は前もって手作りしたちまきを蒸して冷凍しておきましょう。
当日は冷凍されたおいしい手作りちまきをレンジでチンするだけ。
とても豪華で手作りの温かさがあふれる素敵な端午の節句の食卓になりますよ。
ぜひちまきと柏餅の由来や地域による違いをお子さんに話してあげてください。
楽しい会話と美味しいお祝いの食卓で素敵な端午の節句になりますように。
◆ 端午の節句は菖蒲パワーを!お供えや飾りやお風呂にフル活用!
良い思いでとなる端午の節句をお過ごしくださいね。